東京銀座に元祖青汁ともいうべきものを飲める場所があります。その名も「青汁サービススタンド」。その味を確認するために今回行ってきました。
※以下「青汁スタンド」
あなたが通販などで見かけるタイプの青汁は抹茶や各種甘味料などを配合し、かなり飲みやすい作りとなっています。当たり前ですね。商品である以上消費者が購入してくれなければ意味がありません。

仮に健康に良くても、口にするのも嫌になるくらいのマズさだったら誰も飲んでくれないでしょう。美味しくない青汁の代表格はドラッグストアに陳列されているような低価格な商品ですが、それでも実はそこそこマイルドな味に仕上がっています。企業努力の賜物ですね。
ただしここで紹介する青汁は違います。青汁スタンドで飲むことができるものは、まさしく「The 青汁」です。
青汁好きの人たちの間ではそこそこ有名なお店ですが、訪れるのは今回が初めてです。今から紹介するのは、その体験レビューレポートです。
有楽町駅から青汁スタンドまでの道のり
青汁スタンドの所在地は東京都中央区銀座1丁目6−7です。最寄り駅はJRまたは京浜東北線の有楽町駅、もしくは東京メトロ銀座線京橋駅ですね。
今回は有楽町駅から向かいました。地図で確認したところ京橋口が一番近そうなので、そこから外に出ました。

スマートフォンの地図を使用し特に迷うこともなければ、徒歩7-8分で到着です。

古き良き時代の青汁製法をそのまま引き継いでいるということですが、建物自体も古き良き時代を連想させますね。。
もう少しキレイでモダンなショップ想像していたので、若干気落ちしました。まあ建物の外観はどうでもいいでしょう。重要なのは青汁そのものです。ということで店内に入ります。
青汁スタンドの店内の雰囲気
入店し真っ先に思ったのが、「せまい!」


イスがふたつほど用意されてありますが、それを除くと人が座ることのできるスペースはほとんどありません。
お客さんが移動できる空間は全体で8畳ほどです。飲んだらすぐに帰ることを想定しているような作りですね。


通称「銀座青汁スタンド」ですが、運営会社は遠藤青汁グリーンライフです。
壁に本や論文のようなものが展示されていますが、これらは現代青汁の開祖とも言われる遠藤仁郎博士のものです。ここで販売されている青汁はこの遠藤博士の理念と製法を忠実に実践しているものに他なりません。つまり彼直伝の青汁なんですね。それ以外の青汁は「遠藤青汁」を名乗ってはいけないのです。
またここで飲むことのできる青汁は一般的に販売されているような粉末タイプではありません。この場で生の葉っぱの状態からエキスを絞っている超本格派です。まあ青汁とは本来そういうものです。あなたがよく目にする粉末スティックは消費者のニーズに合わせた、かなり現代的な製品です。

ただしここ青汁スタンドにおいても粉末状の製品が販売されており、サラリーマン風の人が買っていました。
それでは搾りたての青汁を注文してみましょう。

上の画像からも分かるように、遠藤青汁は「国産無農薬栽培ケール100%」です。重要なのは国産無農薬というところではありません(それも安全面からは重要ですが)。
注目すべきは「ケール100%」という文言です。何が言いたいかと言うと、ケールはマズい青汁の代表格なのです!
飲む前からテンション下がりますね。。

過去に俳優の八名信夫さんが演じていた青汁のCMで「まずい!もう一杯!!」という非常に有名なキャッチコピーがありましたが、あれこそがまさしくケールの青汁です。「青汁 = 美味しくない」という方程式を築き上げた植物はケールに他なりません。しかも遠藤青汁は飲みやすさの追及などは一切せず、ケールの葉の搾り汁というありさまです。
味に期待をするのはやめたほうがよさそうです。
実際に飲んでみた!その味はいかに?
小と大のふたつが販売されていますが、今回は体験レポートということなので両方購入してみました♪
さすがにそんな注文の仕方をする人もいないのか、店員さんも少し戸惑っていました(笑)
実際に手にしたのが以下のふたつです。

グラスのふちギリギリまで注いでいるのに不思議とこぼれないんですね。
美味しそうに見えますか?ハッキリ言います。絶対にマズいです。ニオイで分かります。。

その香りを一番適格に言い表すと「ウサギ小屋」ですね。あなたも小学生の頃に人の食用に適さないような野菜の切れ端などをウサギに与えた経験があると思います。まさしくそのニオイがします。
それぞれのグラスの大きさが分かりにくいのでiPhone5と比較してみました。

このようにして見ると小は本当に小さいですね。興味本位で飲みたいのであればこのサイズで十分だと思います。
では恐る恐るですが飲んでみます。
「ゴクゴク・・・。うん。美味しくはない。。」
なんと言えばいいのか。強烈な菜っ葉の香りが口の中に広がります。おそらくですが大根の葉の部分を大量にかき集め、そのまま絞ったら同じような風味の飲み物が出来上がるのではないかと思います。
しかも厄介なことに、この青臭さがそのまま後味として口の中に残ります。慣れていない人が飲むと体調が悪くなる気がします。それほど強烈です。
過去にテレビ番組の罰ゲームで青汁を飲むという企画が存在しましたが、おそらく当時の出演者の人たちはこのようなものを口にしていたのでしょう。

注文したものを残すのは失礼なので、全て召し上がりました。店員さんがそばにいるので口が裂けても言えないですが、本当に美味しくなかったです。。
ただし野菜の王様と呼ばれるケールです。そのエキスをそのまま絞っているので超が付くほど栄養価が高いことは言うまでもありません。
ケール青汁(100g)の成分表を一部抜粋すると以下のようになります。
- エネルギー:375kcal
- 脂質:4.4g
- タンパク質:13.8g
- 食物繊維:28.0g
- ビタミンC:1100mg
- 葉酸:820μg
- カルシウム:1200mg
- 鉄:2.9mg
出典:七訂食品成分表2017
これだけ聞いてもピンとこないので、いくつかを別の食品と比較してみます。
- ごぼう(生)の食物繊維:5.7g
- レモンのビタミンC:100mg
- 牛乳のカルシウム:110mg
※全て100g
それぞれその成分が豊富なことで知られるものですね。
以下が比較結果です。
- 食物繊維はごぼう(生)の約5倍
- ビタミンCはレモンの11倍
- カルシウムは牛乳の約11倍
驚異的な栄養価の高さですね。ケールが青汁素材と好まれる理由がよく分かります。

このようなこともあり、健康ブームのまっただ中、青汁の市場規模は過去10年(現在2017年)で見ると一度の例外もなく右肩上がりです。
その波に乗ってか青汁スタンドも平日(水曜日)の昼間だというのに数分間隔でお客さんが来店します。粉末商品を購入するサラリーマン風の男性もいれば、その場で飲んですぐに出ていく私服の若い女性と、タイプは様々です。

立て続けの来店により青汁が少なくなったので店員さんが足していました。ペットボトルから注ぐとはなかなかダイレクトな方法ですね(笑)
遠藤青汁の製法
銀座青汁スタンドで素材として使用するケールは岡山県、山梨県、千葉県の自社農園で無農薬栽培しているものです。よく見かける粉末タイプの青汁は大麦若葉であれケールであれ、収穫後の葉を乾燥粉砕し粉状にしています。

遠藤青汁ではそのような処理を加えずに、生の状態のケールの葉を水洗いしその後専用の機械に投入しエキスを絞り出しています。
つまり言ってしまえば葉っぱ汁ですね。この青汁からはとてもつもない青臭さがしますが、この製法ならある意味納得です。そのことは遠藤青汁グリーンライフも理解しているようで、公式のサイトに以下のように記されています。
青汁は野菜の汁ですから、うまいものではありません。味を楽しむのではなく、体のために飲みたいものです。
出典:遠藤青汁グリーンライフ 青汁Q&A

直接店員さんに聞いたところ小コップで60-70cmほどの長さのあるケールの葉を2枚程度、大の場合は4枚程度使用するらしいです。ただし1人単位で青汁を作っているわけではないので、正確な量は分からないとのことです。
今まで色々な青汁を口にしてきましたが、遠藤青汁は後味の悪さでは突出しています。いつまで経ってもその雑草感が口の中から抜けないので、帰り道にガムを噛みその場をしのぎました。
まとめ
ひとつだけ強烈に感じたことは、「遠藤青汁を毎日飲んでいれば、多少不摂生な生活を送っていても健康でいられそう」ということです。
世の中皮肉なもので、焼き肉であれラーメンであれファストフードであれ、美味しいものほど生活習慣病の原因になりやすい食品です。そしてさらに皮肉なことにマズいものほど栄養価が高かったりします。
遠藤青汁はその最たるものでしょう。口の中に入れたとたん強烈な青臭さを感じましたが、その反面「これは健康に良いに違いない」とも思いました。
逆に健康に良くなければ、こんなもの飲む気になれません。
あなたも以下に該当するのであれば、一度銀座青汁スタンドに行きその味を楽しんでみてください。

- かなりの青汁好き
- 怖いもの試しに友達と
- テレビの罰ゲームで飲むような青汁を味わってみたい人
ただし相当な覚悟が必要です。さもなければ飲み切ることなくその場を去ることになるでしょう。。