ファスティングとは英語のfast(食を控える)から来ています。
「一日3食食べなさい」ということを生まれたときから教わっている私たち日本人からすると、なにも食べないというのは不健康そのもののように感じてしまいます。ただし最近の研究により、一定の期間食を控えることは健康に対して多大なメリットがあるということが分かってきています。
そこで今回はファスティングの概要を分かりやすく説明します。また青汁を利用したときのメリットにもごく簡単に触れておきます。
ファスティングは寿命が延びる一番確実な方法

ファスティングとは簡単に言ってしまうと「ぷち断食」です。実践する人によってその期間はバラバラですが、一日水だけで過ごすことも立派なファスティングです。
これを行うことにより、以下のような健康利益があると言われています。
- 免疫力の向上
- むくみの改善
- 体内酵素の温存
- 宿便の排出
- 病気の改善
その他、頭痛や肩こりの解消など色々と挙げられます。ファスティングに関する話はバラ色過ぎるものばかりなので、にわかには信じがたいですが実は科学的に証明されています。
ひとつだけ重要なことを指摘させてください。
ファスティングは寿命が延びることが確実視されている唯一の健康法です。
人に関連したデータはまだ出ていないかもしれませんが、他のどの動物でテストをしてもファスティングでは寿命が延びたという報告が世界各国の研究者から上がっています。
動物に対してのファスティングは日本で実践している場所があります。長崎ペンギン水族館です。
出典:長崎市公式観光サイト
ここで飼育されているペンギンは寿命が驚異的に長いことで知られています。一般的な水族館で飼育されているペンギンの平均寿命は20年程度ですが、長崎ペンギン水族館ではその1.5-2倍ほども生きます。
かつて飼われていたギン吉くんというキングペンギンは39歳9ヶ月15日という、とんでもない長寿でした。
では長生きの秘訣はなにか?

実はここでは週に一度断食の日を設けています。基本的にこれだけです。ファスティング恐るべし・・・ですね。
ファスティング中には傷ついた細胞の修復が行われる
ファスティングで健康になれる理由は以下のふたつです。
- 体内酵素の節約
- サーチュイン遺伝子の活性化
ここでは空腹時に活性化されるサーチュイン遺伝子に焦点を当てます。この遺伝子は通称「長生き遺伝子」や「抗老化遺伝子」とも言われるもので、飢餓やカロリー制限時などのような条件下で活動が活発になることが分かっています。
ようするにお腹が減ったときに活性化するのです。これに目をつけた企業がその成分を含んだサプリメントを発売して大ヒットしたという話もアメリカから伝わってきます。
さすがに科学的に認められた方法というだけあって、シリコンバレーで富を築いたIT長者などがファスティングを実践しているとのことです。

この人たちの会合に参加をするとまるで修行僧のような外見の方もいるらしいですが、本人たちはいたって健康です。
皇居のまわりをランニングする人たちは富裕層が多いなどとも言われますが、どこの国でもお金持ちは長生きすることに執念を抱いているのですね。
話がそれましたが、サーチュイン遺伝子というのはどうやら染色体やDNAに働きかけることで、傷ついた細胞の修復や若返りを促しているようです。
実際に実践者は一般の人たちと比較して体のありとあらゆる細胞年齢が若いという研究結果が報告されています。

日本国内の実践者で有名なのが、ナグモクリニック総院長の南雲吉則さんでしょう。上の画像がいつ撮られたものかは推測するしかありませんが、おそらく50代の頃だと思われます。恐ろしく若く見えますね。
実際に南雲先生が行っているファスティング方法は「一日晩御飯一食のみ」を毎日だということです。
南雲先生が55歳のときの細胞年齢は以下です。
- 脳年齢38歳
- 骨年齢28歳
- 血管年齢26歳
凄いとしか言いようがありませんね。
ファスティング方法の簡単説明

ファスティングの基本は空腹に耐えることです。お腹がグーとなっているときこそ、サーチュイン遺伝子が活性化しているのですね。
よって口にしていいものは水だけというのがファスティングの本来の形です。中には野菜ジュースを用いる人たちもいるようですが、それら飲料には少量ながら糖質が含まれているのであまり意味がないでしょう。少しの間とはいえお腹が満たされてしまってはサーチュイン遺伝子の活性化は見込めません。
ファスティングでは一般的に以下のような期間を設けています。
- 準備期:ファスティングをする前の準備期間
- ファスティング:実際のファスティング期間
- 復食期:ファスティングからの回復期間
準備期と復食期では極力胃に負担のかからない食事を摂るというのが定番です。ただし個人的には、そこまでこだわる必要はないと思います。
期間に関しては、週末のみなど一週間に1日だけでも効果があると言われています。実際に長崎ペンギン水族館で飼育されているペンギンのファスティングは週一回のみですね。
またファスティング中に口にするものも様々ですが、人気のあるものは以下のふたつです。
- 水のみ
- 酵素サプリ
ファスティングの目的のひとつが体内酵素の節約なので、酵素サプリを使用するのは非常に理にかなっています。酵素はあなたが食べた物の消化吸収を担う非常に大切な物質ですが、食べ物に囲まれた現代人は過食に走り、結果としてこの物質を無駄遣いしてしまう傾向があります。
人が体内で生産できる酵素には限りがありますが、これをどれだけ節約できるかでその人の健康寿命が変化するということが分かっているのです。

ちなみに縄文時代の人たちは過食するような余裕もなかったですし、酵素たっぷりの天然の野菜なども日常的に食べていたので一般的に長寿だったと言われています。
また酵素サプリを使用することにより、宿便が効果的に取れるというメリットもあります。ファスティング中はその他に何も口にしていないのに、ものすごい量の便が出たという経験談は多数存在します。
方法は様々ですがファスティングを行う際は、サーチュイン遺伝子の活性化、体内毒素の排出、胃腸の休息などその目的を見失わないようにすることが大切です。
お腹が鳴っているときこそ「自分の体はいま健康になろうとしている」という考えを持ち、空腹を楽しみましょう。
青汁はファスティングと相性が良い

水の代わりに青汁を利用するのもオススメです。青汁は糖質控えめでお腹が満たされる心配がなく、ビタミン・ミネラルを摂取できるなどの利点があります。
また腸のぜん動(伸縮)運動を促す食物繊維も含まれており、体内に溜まっている老廃物を排出することができます。製品によっては酵素を配合しているものもあります。
青汁はファスティングとすごく相性が良いのです。
青汁と比較されることのあるスムージーは糖質が多いのでファスティングには向いていません。
ファスティングは空腹であることが大前提です。少しの間とはいえお腹が満たされるものは口にしてはいけません。
まとめ
ファスティングの健康効果は科学的に立証されています。特別な機器は必要なく誰でも簡単に実践ができるので、興味のある方は一度試してみることをオススメします。またこれによりその日の食費が浮くという追加のメリットもあります。
ただし何事もバランスが大切です。空腹は苦痛を伴います。毎週の半分をファスティングに費やすのは、さすがに精神的にダメージが大きいですね。健康に長生きできたとしても、楽しみが少ない人生ではいけません。