「日本人はご飯いっぱいを食べているから栄養は足りているよね」と思っていますか?
実はなかなかそうは言い切れない側面があります。
あなた自身もビタミンやミネラルなど特定の成分が不足している可能性があります。そのような生活を続けていると便秘、肌荒れ、免疫力の低下、老化の進行など様々な健康被害が出てきます。
20-40代で胃腸が丈夫なうちは深刻な病気にかかる可能性は低いですが、お肉ばかりの食生活は確実にあなたの将来に悪影響を及ぼします。
そこで今回は日本人の野菜不足の実態をごくごく簡単に見ていきます。
日本人の全体で野菜が足りているのは3-4割
まずはじめに「一日の野菜推奨摂取量は350g」ということを念頭に入れてください。
以下は厚生労働省が公表している、男女別で分けた日本人の野菜摂取量平均値の年次推移です。
350g/日が推奨値なので、つまり平成17年から27年の間で目標を達成している年はひとつもないという衝撃的な結果です。
ただしこれは単純な性別での分類であり年代別ではありません。
同資料には以下のような記載があります。
野菜摂取量の平均値:
男性:299.4g
女性:288.7g年齢階級別にみると、男女ともに20歳代で最も少なく、60歳代で最も多い。
つまり世代間でばらつきがあるということです。特に60代の人たちは、他と比較して多くの野菜を食べているとのことです。
では60代の人たちは、推奨量を満たしているのか?世代別の野菜摂取量を見てみましょう。
※クリックで画像が大きくなります
一番野菜を食べている60歳代の人たちの結果は以下です。
- 男性:327.6g
- 女性:334.4g
残念ながら厚生労働省が定める推奨量を満たしていませんね。。もちろん350g以上/日を達成している人たちも、わずかながら存在します。
その割合(%)を世代別で見ると、以下のような結果になります。
総数 | 20-29 歳 | 30-39 歳 | 40-49 歳 | 50-59 歳 | 60-69 歳 | 70 歳以上 | |
男性 | 33.7 | 22.7 | 23.9 | 29.8 | 31.4 | 40.5 | 39.7 |
女性 | 31.4 | 18.4 | 22.4 | 22.0 | 29.5 | 40.4 | 38.6 |

総数で確認すると、十分に野菜を食べている人たちは10人中3-4人です。
全ての世代において男性のほうが女性より野菜摂取量が多いのは、単純にご飯の量に左右されているのだと思われます。
野菜摂取不足の人たちが全体の過半数を超えるということなので、これは日本国民全体が取り組むべき課題と言っていいでしょう。
お肉ばかりの食生活は老化を早める!
野菜不足で表面化する健康被害は様々です。それらを総称して生活習慣病と言いますが、例を挙げると脳卒中、心筋梗塞、高血圧症などです。
また病気とまでは言えませんが、肌荒れや老化の加速なども普段の食事に起因しているケースがほとんどです。

同窓会に顔を出すといくらかの人たちはいつまで経っても若々しいのに、いくらかの人たちは明らかに老け込んでいるという光景をあなたも見たことがありませんか?
中学・高校時代は皆同じラインに立っていたのに、なぜ40-50歳になるとこれほどまでに差が出るのでしょうか。
理由は簡単。以下の違いです。
- 老け込んでいる人たち:体内酵素が減少している
- 若々しい人たち:体内酵素が豊富に残っている
体内酵素には「消化酵素」と「代謝酵素」というふたつのタイプが存在します。

お肉のように消化に手間がかかるものは消化酵素が多く消費され、結果として体の機能を司る代謝酵素がサポート役という形で回されてしまいます。
このようにして代謝酵素が消耗される日々が続いてしまうことが、まさしく老化スピードを加速させる原因なのです。
生野菜や果物などはそれ自体に酵素が含まれており消化が容易なので、代謝酵素の節約につながります。
お肉ばかりを食べている人たちは自ら老化を早めているのです。アンチエイジングを求めてポリフェノールたっぷりの赤ワインなど飲んでいても、普段の食生活がだらしないと何の意味もありません。
ご飯を食べているのに栄養不足になるという現代特有の現象

戦後の日本人は欧米に追いつき追い越すことを目標に、食事内容も欧米化の道をたどりました。そのおかげで数十年前と比べ体格はずいぶんと立派になりましたが、その過程で不足気味になってしまう栄養素が出てきました。
この時代の流れによってもたらされた栄養分の偏りを簡単にリスト化すると以下のようになります。
- 脂質
- タンパク質
- ビタミン・・ミネラル
- 食物繊維
結果として私たち日本人は生活習慣病という副作用も同時に手に入れることになったのです。
またその過程で「ご飯をたくさん食べれば、体が多くの栄養で満たされる」といったおかしな話がまかり通るようになってしまいました。
あなたの体は欧米のようにお肉をたくさん食べる食生活を求めていません。そもそもお肉に含まれる動物性タンパク質は構造が複雑であり、消化吸収が最も難しい成分です。
つまり体に極めて負担が大きい物質なのです。
またこのような食生活は野菜不足を招き、結果として現代の多くの日本人は「ご飯を食べているのに栄養不足」というおかしな状況に陥ってしまいました。
野菜不足は今からでも改善できる
「野菜を食べてない私は早死確定」などと簡単にあきらめる必要はありません。
以下は厚生労働省e-ヘルスネットが提供している情報の一部です。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。
現在不摂生な生活を送っているあなたも、ライフスタイルの改善で生活習慣病は予防できるのです。
時間に余裕があるのであれば運動を取り入れることをオススメしますが、そうでなくても食事内容を改めるだけで以下のように体調にプラスの変化が出てきます。
- 風邪を引きにくくなる
- お通じが良くなる
- 肌がキレイになる
- 体重が減少する
- 朝が楽になる
野菜を食べるというのは意識変革の問題なので、決して難しいことではありません。いつまでも健康にそして若々しくいたいのであれば今日からでも食生活を改めましょう♪