青汁の成分表を見ていると、たまに抹茶が配合されていることがあります。
気になった人もいると思いますが、そこには栄養以外にちゃんとした理由が存在します。
抹茶自体は誰でも聞いたことがあると思いますが、「茶道で使用するもの」というイメージが先行するだけで、その内容まではあまり知られていません。
そこで今回は抹茶に関しての基本から、その注意点までをごく簡単に説明します。
抹茶は緑茶とは違う茶葉で作られている
トップ画像にもあるように抹茶は茶の湯で使用されるイメージが強いですが、和菓子の素材として使用されることもあります。
また最近では青汁の原料としても使用される機会が増えています。
一般的な緑茶とは以下のような違いが存在します。
- 抹茶:
碾茶 というタイプのお茶が素材 - 緑茶:煎茶というタイプのお茶が素材
碾茶と煎茶では、その育て方に違いがあります。
ひとつずつ簡単に説明していきます。
碾茶は美味しさを求める
画像からも分かるように、碾茶は茶葉に日光が当たらない環境で育てます。
いわゆる「覆下栽培(おおいしたさいばい)」と呼ばれるものです。
なぜこのようなことをするのかと言うと、その方が味が美味しくなるからです。
味が美味しくなる理由はアミノ酸の一種であるテアニンという成分のおかげで、脳や神経に作用することでリラックス効果があるとされています。
また覆下栽培はコストがかかる方法なので、抹茶は煎茶と比べ高額になる傾向があります。
煎茶は一般的なお茶

煎茶は太陽の元で管理される茶畑で育てた茶葉が元となっているお茶です。
一般的にお茶を想像したときに頭に浮かぶのがこちらですね。
つまり「煎茶(緑茶) = 一般的なお茶」とも言えます。
日光にさらされることで、旨味成分であるテアニンが渋み成分であるカテキンへと変化します。
結果として人が感じる美味しさが減少しますが、それと引き換え以下のようなカテキンの健康効果を得ることができます。
- 脂肪の吸収を抑制
- 抗酸化作用
- 殺菌作用
煎茶は旨味成分を失う代わりに栄養成分を得たとも言えるでしょう。
抹茶も緑茶も茶葉を粉末にして、それを丸ごと飲むので、葉の成分を余すことなく摂取でき栄養価は高いです。抹茶には栄養が無いというわけではありません。
抹茶は青汁の味の引き立て役
「青汁にはなんで抹茶なんだ?緑茶じゃいけないのか?」という疑問に対しての答えはもう理解できたかもしれません。
抹茶を素材として配合する理由は、青汁を飲みやすくするためです。
もちろん抹茶そのものにもビタミン・ミネラルが含まれていますが、どちらかというと味の引き立て役として扱われることが多いのが現状です。
それと比べ緑茶(煎茶)は栽培過程で日差しを浴びることにより、旨味成分であるテアニンが渋み成分のカテキンに変化してしまうので味の点からふさわしくありません。
実際に緑茶を原料として配合していることを大々的に宣伝している青汁製品はまずありません。
それとは違い抹茶はセールスポイントとして扱われます。
- 抹茶は青汁の味の引き立て役
抹茶に含まれるカフェインとタンニンの注意点

抹茶は葉の部分をそのまま粉状にして飲むので、葉に含まれる栄養素を余すことなく摂取することができるという利点があります。
ただしその中でカフェインとタンニンという成分に注意する必要があります。
カフェインは妊婦さんが避けるべき成分として挙げられることが多い物質です。
お腹の中で成長中の赤ちゃんは代謝機能が未発達の状態なので、カフェインを上手く処理できません。
高濃度のカフェインにさらされると発育に悪影響を及ぼすという報告もあるので注意が必要です。
妊娠中の女性はいつも以上に栄養が必要な時期であり青汁を飲むというのは良い選択ですが、抹茶が含まれている製品は避けたほうがいいでしょう。
タンニンには鉄分の吸収を低下させる作用があります。
鉄分はもともと吸収率が悪く、月経もあり女性が不足気味になりやすい栄養素なので注意が必要です。
まとめ
青汁の開発メーカーは抹茶の旨味を求めていたという結論です。
販売企業は、「緑茶とは違い、抹茶には旨味成分であるテアニンが含まれていて・・・」などと丁寧には説明はしてくれません。
セールスポイントはあくまでも大麦若葉、ケール、明日葉といった主要素材です。
そこで今回抹茶の概要を簡単に説明してみました。
今後抹茶を飲む機会があるときは意識して味わってみてくださいね。