「青汁粉末って本当に栄養があるのかな?」。これは青汁を飲んでいる全ての人たちの共通の疑問でしょう。
お金を出している以上、このようなことが頭に浮かぶのは当然だと思います。
結論を先に言ってしまうと、青汁粉末には栄養があります。
そこで今回はそのように言い切れる理由と、青汁粉末のメリットとデメリットを簡単にご紹介します。
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メーカーが定める原材料や成分表は信頼できる

はい。青汁粉末には成分表に表示されているとおりの栄養分が含まれています。
成分表の表示義務は消費者庁が発表する食品表示法に規定されており、その第六章には従わなかった場合の罰則規定も記載されています。
出典:食品表示法 説明資料
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よって一定のブランド力を誇る企業が成分表の内容を偽るメリットはありません。
上の画像の下部に記述されている罰則規定を簡単に説明すると以下のようになります。
2. 上記の指示に従わない場合は命令となる。
3. 上記の命令に従わない場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金。
4. 原産地(原材料の原産地を含む)を虚偽した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金。
1. 食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項について、食品表示基準に従った表示をしない場合、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはその両方。
2. 表示していない項目が生命または身体に対する危害等、緊急性を要するもので、その回収等命令に違反した場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその両方。
その他行政の立ち入りを拒んだ場合、50万円以下の罰金。
これを簡単にリスト化すると以下のようになります。
- 表示義務に従わない場合は命令という形で義務が生じる
- 命令を無視をすると場合によっては数百万の罰金が課される
「たったの数百万円の罰金」と思わないでください。一度企業イメージに傷がつくと、その信頼を回復するには長い期間を必要とするので、表示法を守るほうがよほどリスクが低いのです。

メディアスクラムにより連日報道される可能性もあり、結果として消費者の不買が広がるので商品の成分表示をゴマかすメリットはありません。
よって販売企業が個々に定める商品の原材料や成分表は信頼に足りると言えます。
原材料名の並びは総量順
出典:Asahi SOFT DRINKS – JAS法とは?
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JAS法では、原材料名の表示は食品そのものから始まり次に食品添加物となります。そしてその順序は重量がより重い方を先に表示するよう定められています。
つまり「様々な素材が配合されていても、どの原料が主要素材か見当が付く」ということが言えます。
一例を挙げると、以下のような青汁製品をたまに見かけます。
- 商品名:フルーツ青汁
- 正式名称:大麦若葉含有加工食品
このような場合、原材料名を見てみると先頭に大麦若葉が記載されており、それ以降にフルーツエキスなどが並んでいたりします。
つまり「フルーツ風味の大麦若葉青汁」ですね。メインはあくまでも大麦若葉であってフルーツではありません。
購入前に原材料名はちゃんと確認しましょう。
3gの青汁粉末に野菜数百グラムの栄養が含まれているカラクリ

「たった3gで野菜100gの栄養分!?」。これはたしかに胡散臭く感じます。ただしこれは結構簡単に説明ができます。分かりやすくするために質問を逆にしてみましょう。
つまり「なぜ野菜はそれほどまでに重いのでしょうか?」
理由は超単純。野菜には多くの水分が含まれているからです。
以下は食物繊維の総量を、乾燥したものと生のものとで比較したグラフです。
出典:七訂食品成分表2017
乾燥バナナは生のバナナの約7倍、キクラゲにいたっては乾燥したものはゆでたものと比べ10倍以上の食物繊維を保有しています。
乾燥キクラゲや乾燥ワカメを水に浸すと、水分を含んで一気に量が増すというのは多くの人が経験済みだと思います。

ではそのふくらんだワカメの栄養価も重量に比例して倍増するのかと言えば、そんなことはありませんね。乾燥時と同じです。
つまり乾燥した食品はその総量における栄養比率が極めて高くなるのです。よって水分を一切含まない青汁粉末が非常に多くの栄養素を含んでいるというのは十分に納得のいく話です。
ちなみに青汁を飲むときに使用する水の量は100-150ml程度です。
水の重量は 100ml = 100g です。そのことを念頭に以下のことを考えてみてください。
全く大げさな話ではありませんね。むしろそれ以上の栄養が摂れるとしても全く不思議ではありません。
粉末にする過程で失われてしまう栄養素はある

そうとばかりは言えない部分もあります。原料の植物に含まれる栄養素の中には粉末化で失われてしまう可能性があるものも存在するからです。

原材料である大麦若葉やケールなどは収穫後に乾燥させ粉砕し粉状にしますが、その過程で熱が加えられるので一部の成分が破壊されてしまう恐れは十分にあります。
これは粉末化のデメリットと言えるでしょう。
代表的なもので言えば以下が該当します。
- ビタミンB1
- ビタミンC
- 酵素
簡単に説明していきます。
ビタミンB1
ビタミンB1はB群の中で日本人が一番不足しているビタミンです。残念なことに水に溶けやすく熱に弱いという性質を持ちます。
よって水洗いをするときはできるだけ手短にし、熱を伴う料理は避け生で食するのが良いとされています。
豚肉に多く含まれていますが、さすがにそれを生で食べるわけにはいかないのでソラマメやホウレン草などビタミンB1が多く含まれる野菜で摂ることがすすめられます。
ただしそれら植物も通常は炒めるので悩ましいところです。
ビタミンC
ビタミンCが熱に弱いことは有名な話です。
非常に不安定なビタミンで水に溶けやすく、3分ほどゆでるだけで量が半分になってしまいます。
しかもビタミンB群とは違い体内で合成ができないので、食事という形で取り込んであげる必要があります。
酵素
酵素はかなり熱に弱く、48度で大半が破壊されてしまいます。はっきり申し上げて活性を失った酵素にはあまり使い道がありません。
野菜に多く含まれているので、摂る際は生野菜として食べることがすすめられます。
3つほど挙げましたが、このように熱に弱い成分は存在するので収穫された植物の栄養が粉末化の過程でいくらか失われてしまうのは事実です。
ただしそこは青汁の開発を手掛ける企業も十分理解しており、現在では低温乾燥やスプレードライなどの製法で栄養分が極力失われないよう努力をしています。
このような手法を宣伝している製品もあるので、そういった情報から商品を選択してみるのもいいでしょう。青汁業界も昔と比べ競争がかなり激しくなってきているので、様々な方面でこだわりを見せています。これは消費者にとって大きなメリットですね。
青汁の栄養を取りこぼしたくなければ水で飲むのが一番!

熱処理で失われてしまう栄養素があるというのは、つまり「青汁は水で飲むに限る」ということを意味します。
これには明確な2つの理由があります。
- とにかく手軽
- 栄養を取りこぼさない
「とにかく手軽」に関してはそのままです。シェイカーで混ぜるだけなので、面倒ではありません。
「栄養を取りこぼさない」というのは熱処理の問題です。
「青汁を使用したレシピをご紹介!」などというキャッチフレーズをたまに目にしますが、こういったものでは青汁粉末を炒め物の調味料に使用していたりします。
せっかく栄養が破壊されないようにメーカ側が粉末を精製しているのに、摂取する前に熱を加えしまったら意味がありません。熱に強い栄養素は存在しますが失われるものがあるのも事実なので、この方法では必ず取りこぼしの分が発生してしまいます。
よって青汁粉末は水でシェイクするという方法で飲んでしまうのがベストと言えるでしょう。